年齢を重ねてくると時間の感覚がおかしくなるというのは本当だった。ついこの間の間隔がどんどんながくなり、最近では5年くらい前のことをついこの間と言ってしまったことがあった。毎年12月が異常に忙しくていやになってしまうのだが、やっとお正月になって気が付くともう3月。この次に気が付く頃は7月くらいになっており、来年のカレンダーの申込みをしなくてはいけない時で、申し込んだとたんに嫌な気分になるのだ。
過去の時間が多くなるので、1年の間隔が短く感じられるのだという説があるが本当だろうか?私には物理的に時間が短くなっているように感じられる。うちの愛犬は毎日々私が家に帰ると嬉しそうに出迎えてくれる。犬は人間の6~7分の1しか寿命がないため、人間の1日がだいたい1週間くらいに相当するらしい。だから私の帰りを毎日大歓迎してくれるのだそうだ。そうと知っても実にありがたい。世の中で私のことをこんなに歓迎してくれる存在があるだけで救われる。
年をとって、認知になってくると時間の感覚はどうなるのだろう。認知になった人に聞いてもよくわからないが、様子をみていると本人はあまり辛そうでないのでこれも救われる。まわりの人間は大変だが、認知症になってしまうと時間の感じ方がまた変化するようだ。穏やかに流れる時間の中で少しずつ生まれる前に戻っているようにも見えてくる。(み)