先日、ニューヨークダウと日経平均が大きく値を下げた時、日本のメディアが「今回の株価の下落で新NISAではじめて投資をした初心者に動揺が走っています」と伝えているのを見て、少し苦々しく思いました。本当に新NISAで初めて投資した人が動揺しているとは思わなかったからです。
そもそも、新NISAは公的年金が厳しい中、自助努力で自分の年金を作ろう、将来の資産形成を実現しようと始めた人が多いと聞きます。そういう方はいわゆる長期投資を目的にして投資をしており、またそのことを十分理解したうえで始めています。具体的には「長期、積立、分散」という資産形成の3原則をしっかり理解してから投資行動をしているはずです。また、そうでなくてはいけないのです。
長期運用を実践している立場でみると今回の株の下落は全くドキドキするものではありませんでした。むしろ、もっと下がってもらっても良かったくらい。積立をしている場合、安値で買い足しているのと同じだからです。それを記者が頭の中で考えて、「新NISAから投資を始めた初心者に動揺が走っています」と伝えてしまうのは、投資初心者やIFAやFP、証券マンへの侮辱ですし、無責任としか感じられませんでした。そんな人どこにいるの?って思いました。
今回、大きく値を落とした日経平均はその翌日には、大きく反発しました。メディアの報道によって慌てて売ってしまった人は今度は値上がりに乗り切ることができず後の祭り状態になってしまいます。そして、コメンテーターは「結局そのまま持っているのが一番いいんですよね。」などと言っています。無責任極まりないとはこのことです。(み)