住宅ローンの仕組み(その1)

今年に入ってから、大手銀行が相次いで長期固定の住宅ローン金利を上げる改定をしたため、住宅ローンの組み方や見直しについての記事が目立つようになりました。改定されたのは、全期間固定金利や固定金利期間選択型の10年固定という長期固定金利のものが対象ですが、変動金利型を含め、これからの金利動向が気になるところです。そこで今回は、代表的な3つの金利タイプ別に金利がどう決まっているか解説します。

 

①全期間固定金利型タイプ

借りた時点で返済終了までの金利が決まるタイプ。長期金利(10年国債の利回り)をベースに金利が決まります。融資を受ける時点の景気や金融市場の動向に敏感に反応します。

 

②固定金利期間選択型タイプ

一定期間に固定金利が適用され、その後に再びその時点での金利で金利タイプを選ぶタイプ。長期金利や長期プライムレートを参考に金融機関が決めます。

 

③変動金利型タイプ

一般的に年2回、金利の見直しを行うタイプ。短期プライムレートをベースに決まります。日本銀行の金融政策に影響を受けて変動します。景気浮揚や物価の安定のために長期間・大規模な金融緩和政策を採ってきたため「変動」や「短期」という言葉とは裏腹に、基準金利は2009年12月から変動していません。

 

金利の上昇局面イメージは、景気の回復・固定金利型が上昇を始める。⇒物価の上昇・固定金利期間選択型の長期の物から上昇を始める。⇒物価上昇の過熱・変動金利が上昇始める。概ねこの順番で変動しますので、変動金利型を利用されている方が、金利が上がるので固定金利に借り替えたいと思った時には、固定金利が先行して上昇しているので、借り換えの判断がとても難しくなります。次回は、3つの金利タイプの選び方について解説します。(い)

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