生損保代理店として独立する前、某カタカナ生保で営業所長をしていました。当時の会長は財界でも有名な方でした。群馬にも時々おいでいただき、昼食でご一緒する機会にも何度か恵まれました。いろいろな話を伺いましたが、最も印象に残っていることの一つが会長の立ち居振る舞いでした。会長はスピーチの最後は必ず「どうもありがとう」と締めくくっていました。そして、昼食をとったお店でも店員さんがお茶や料理を運んでくれると、「どうもありがとう」と必ずお礼を言っていました。とにかく、それがとてもカッコよかったのを覚えています。
先日、自宅でお客様と電話で話をして終えると妻から「お父さん、『すみません』が口癖になっているよ。『すみません』、『すみません』って言ってる。『すみません』を『ありがとうございます』に変えた方がいいと思うよ」と指摘されました。自分では全く意識していなかったのですが、どうもそのようなことになっていたようです。
外国で道を尋ねるとき「すみません」と言おうとおもって、「I’m sory」と言ってしまったというのは、ありそうでないネタだと思います。しかし、日本での日常の会話で、「ありがとう」というべきところで「すみません」と言ってしまうことは案外多いのではないかと思います。私がまさにそうでした。それ以来、なるべく「すみません」と言いたいところで「ありがとうございます」と言い換えるようにしています。
レストランでも、お客様と話をする時も、保険会社の担当者やヘルプデスクの方と話をする時も「すみません」ではなく「ありがとう」と。まだ、何かが変わったということは実感していません。でも、レストランで係りの人に「どうもありがとうございます」と言うと少し気持ちが伝わるような気はします。
考えてみると私が前々職の旅行会社で海外添乗員をしていた時、レストランで何かしてもらったときは普通に「Thank you!」って言ってました。それが、当たりまえなのだと思います。少し、照れくさい感じもしますが、今後も「すみません」を「ありがとう」に置き換えて感謝の気持ちを伝えていけたらと思っています。
2022年、たくさんの方々のおかげで何とか無事に過ごすことができました。皆さん、本当にありがとうございました。来年も精一杯努めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(み)