突然ですが QOL(Quality of life)という言葉をご存じですか?医療や介護の分野で盛んに使われるようになった言葉で、「生活の質」「生命の質」などと訳され、病気を治療する事だけでなく、前向きな気持ちで日々を暮らしていけるよう、人生の質を高めるという意味で使われています。近年では、健康な人も含めて、生活の質そのものを高めて充実した幸せな人生を送るという意味で使われる事も多いようです。
QOLという言葉が特に多く使われるのは、がん治療の世界ではないでしょうか。かつての医療現場では、とにかく病気を治すのが先決で、手術や治療の際の痛みや辛さは我慢してもらおう、という発想が主流だったようですが、どんな状況にあっても痛みや辛さを積極的に和らげ、その人らしい生活を送る事ができるようにサポートしようという活動が盛んになってきました。痛みの緩和や精神的サポート、また、食事や栄養の相談など。QOLを考慮した様々な支援が行われているようです。
そんな背景もあって、がん保険の内容も大きく変わっています。以前のがん保険の内容といえば、がんと診断されたら○○円。一日入院したら○○円。手術をしたら○○円。という程度の内容がほとんどでした。しかし最近では、QOLを考慮したり、治療方法に則った商品が多く発売されています。治療方法も変わってきていて、長く入院して治療するということも少なくなっており、通院で治療できるものは通院で治療するという流れになっているようです。それにあわせて、がん保険も入院日額を多くするというよりも治療内容に合わせて保障内容を決めるという方が増えてきました。
大昔に加入したがん保険では、現代のがん治療には対応できないかも知れません。この機会に現在のがん治療とはどういったものか、治療内容を確認し、その内容に合わせたがん保険とは、どんな商品があるのか、検討してみてはいかがでしょうか。(せ)