群馬県の風土や県民性を端的に表す言葉として、子供の頃から慣れ親しんでいる「上毛かるた」に「雷とから風、義理、人情」というものがあります。「雷とから風」は風土を、「義理、人情」は県民性を表しています。今回は、「雷とから風」について話したいと思います。
から風は「赤城おろし」とも言われ、日本海を渡ってきた湿った風が三国山脈で雪を降らせ、乾いた風が赤城山から群馬や関東平野に吹きおろすというものです。この風は強烈で、風に向かって自転車でも漕ごうものなら、風に押し戻され一向に前に進まないという事を経験した人も多いと思います。
また、群馬県の雷は、夏場に集中して発生します。俳句の季題を分類している歳時記では、雷を夏の季語としています。夏になると、夕方、毎日のように雷が発生し、夕立でずぶ濡れになった経験をした人もいると思います。雷といえば群馬、と思っている人も多いと思いますが、実は雷の発生件数を全国でみると、1位石川県、2位福井県、3位新潟県、4位富山県と、北陸地方が上位を占めています。
では、「群馬県はどうなの?」というと、なんと17位だそうです。群馬県の雷と違い、北陸地方の雷は冬場に発生するそうですが、これは雷の発生するメカニズムの違いによることのようです。
北陸地方の雷の特徴は
- エネルギーの大きな雷が多い(夏場の雷の100倍以上)。
- 落雷数は少ないが、一日中発生する。
- 日本海岸付近に多く、海岸線から35Km以上の内陸部では少ない。
一方、群馬県の雷は
- 午後から夕方にかけて発生する。
- 落雷数が多い。
等が挙げられます。落雷数だけをみると、群馬県と栃木県が1位、2位となるようです。雷が近づいてきたら身体の安全を確保しなくてはなりません。雷は高い所や突き出たものを通って落ちる傾向があります。高い木の近くや開けた場所、ゴルフ場などは、とても危険です。雨宿りに使う建物の軒下なども危険です。雷は外壁を伝う傾向があるからです。鉄筋コンクリートの建物の中や屋根のある車、電車の中などは比較的安全です。雷が落ちても電気は外側を通って地面に逃げるからです。
火災保険では、風や雷に備える補償も付いているのが一般的ですが、中には補償されない保険もありますので、一度、ご自身の加入されている火災保険の内容を確認されてはいかがでしょうか。(せ)