医療保険
医療保険に限らず、生命保険の多くは公的保険の補てんを目的として考えるべき商品です。そこで、日本の素晴らしい健康保険制度を考えれば民間の医療保険は加入する必要は無いと主張するFPや保険募集人もおります。
私は「健康保険制度があるから医療保険はいらない。その分貯金しましょう」というFPや保険募集人は、子供が生まれたら5000万は必要ですよと言って死亡保障を販売する保険募集人と同列だと思っています。
一番大切なこと
一番大切なのはお客様が正しい情報のもと ご自身の頭で考え必要と思った保障を購入するというプロセスだと思うのです。今の健康保険制度を考え 医療保険はいらないとお客様が考えるのであればそれはそれで良いと思います。しかし、FPや生命保険募集人から健康保険制度があるから医療保険は必要ありませんよと言うのは間違いだと思っています。
「医療費は預貯金があれば大丈夫です」と言われていても、お守りだからと言って医療保険に加入する方がいて良いと思います。その方が公的保障に守られていて預貯金があったとしても やはり入院や手術をした時に預貯金からご自身の医療費を支払うのが嫌であれば医療保険に加入することは極めて合理的な判断だと思うからです。あと気持ちの問題があります。
保険に入ったからといって病気にならないわけではありませんが、保険に入っているので、病気になっても安心という安心感を購入するということも簡単には否定できません。
現在の日本の健康保険制度は本当に素晴らしいものです。自己負担割合は年々増えて、現在若年層で3割負担 70歳以上で2割 75歳以上で1割負担になりました。しかし、高額療養費制度で月ごとの自己負担額は限度額が設定されており、それ以上の医療費は健康保険で支給されます。
またその限度額はその方が所属する健康保険組合ごとに決められており、組合によってはほとんど高額な自己負担をしなくてもよい場合もあります。必ずご自身の健康保険の内容を確認したうえで医療保険をどのように持ったらよいか考えていただきたいと思います。
また、医療保険に入ったらと良いかという時に、損得ではなく どうしたら困らないかという視点で考えていただけたらと思います。医療保険の場合 損得で考えると正解がありません。なぜなら今後どんな病気や怪我をされるかその時点ではだれにもわからないからです。
もし、あらかじめ病気になるのが分かっていれば掛け捨てで高額の医療保険に加入するのがお得です。逆に一度も入院をせずに亡くなってしまうことが分かっていれば医療保険は不要です。結局、損得ではなく どのくらい保障があれば困らないか、あるいはどのくらい保障があれば病気になっても安心か という基準で考えた方が、後々後悔がないように思います。
国民健康保険の患者負担の割合
厚生労働省ホームページから